京都は来週末が祇園の宵山、山鉾巡行なので街中はかなり混んでいるだろう。でも今日は雨。それなら宇治あたりなら人も少なくていいかな・・・と。もともと京都好きのダンナの提案に乗った形。子どもたちは家で退屈しきっていたし外出できるならどこでもいいという雰囲気。
宇治は源氏物語の「宇治十帖」でお馴染み京都からは少し離れた緑濃い町で、三室戸寺は今の季節は紫陽花で有名なのだけど、少し盛りは過ぎて今は蓮の花が美しかった。通り雨がざーっと過ぎ、そして少しやみというのを繰り返している山裾の古い寺を歩いていると、もう何というかマイナスイオンが充満している中を歩いているという感じ。人出は多かったけどほとんどはリタイアした夫婦連れか、母と娘という組み合わせで小さい子ども連れは数える程。
蓮の花の鉢がところ狭しと置かれている境内の片隅に「浮舟の碑」がひっそりと立っていた。源氏物語は漫画の「あさきゆめみし」を熟読した程度でそれほど造詣が深いわけでもなんでもないんだけど、これが薫中将と匂の宮双方に愛され、その境遇に耐えきれなくなった浮舟を祀った碑なんだなあと思うとやはり立ち止まってしまうなあ。横には沢山の願い絵馬が掛けられていて、現世でもいろいろな恋愛模様があるんだろうなあと勝手に想像を逞しくする。
その後、寺の茶屋であじさいゼリーなぞを食べて平等院へ。ぐらはダンナから10円玉を渡されて「これと一緒やで」と教えてもらい同じように見えるスポットを必死に探していた。私はあまり有名で立派な大きな寺よりは、先の三室戸寺やら嵯峨野の祇王寺みたいな緑の濃い小さい寺が好きなのであまり熱心には見なかったけど、それでも美しい美術館に展示されていた「雲中供養菩薩」の美しさに魅せられてしまった。奈良にいたので仏像自体見るのは好きだけど魅せられるまでは行かなかったなあ。でもなんというか、楽器を奏でる菩薩たちはこう見ていて幸せな気分になるし、言葉が過ぎるかもしれないけれどかなり色っぽい。絵はがきをついつい数枚購入していまう。久しぶりに京都らしい散策だったなあ。また他のところにも行きたいぞ。