とはいっても実は保育園に子どもたちを預けて夫婦で遊びに行くのって初めてだったのです。今まででもあっても良さそうなものなんだけど、気持ちに余裕なかったから、そうして遊びに行こうとする気力も起こらなかったんだなあってダンナと話していた。神戸で待ち合わせして、昔ふたりだったときによく行っていたとんかつ屋で昼食をとり、平日の三宮界隈をそぞろ歩き。ああ〜落ち着いて街を徘徊できるのって懐かしいよなあ。ふたりってのもなんだか落ち着かなくなるぐらい(笑)新鮮な感じ。
でその後美術館へ。2年前ぐらいに新しく海側へ移転した美術館で「安藤忠雄」設計のゴージャスな美術館。幻想的なモローの絵画も見応えがあったけど、何がいいって美術館としての「ハコ」が素晴らしかった。柔らかい高い天井からの自然採光、その下に絵画が並び人は多からず少なからず。ゆったりした広さの中に休憩しながらも絵の並びを俯瞰的に眺められるベンチがきちんとあって、海外の美術館の雰囲気を思い出しました。ベンチでゆっくり座って眺めるサロメを主題にした有名な絵画「出現」はなかなかのものだった。
あとこの美術館は昔から彫刻の収蔵品にいいものが多くて、常設展の方もロダンからジム・ダイン、シーガルまで楽しめました。新しくコレクションした近代美術も会わせて展示していたんだけれど、より人は少なく、より私が身震いするぐらい好きな「美術館的空気」を満喫。惜しむらくはハコと美術品が立派な割には、例えばチケットチェックの時に煩雑なものをデスクに出しているとか、併設喫茶店のごちゃごちゃぶりとかそういうソフト的な運営面にセンスがあまり感じられなかったこと。このあたりは京都近代美術館が素晴らしいんだよなあ。
そしてこの美術館に惹かれるのは、市民参加型の美術館だということ。レクチャールームでは市民の人が沢山絵画制作にいそしんでいた。子ども向けのワークショップも充実しているし、ガイドツアーもボランティアを募って実施している。昔ロンドンのナショナル・ギャラリーに行った時に、ミレーの「オフィーリア」の前で10数人の小さな可愛い小学生相手にガイドがレクチャーしている姿を見てすごく新鮮だった記憶がある。その匂いを確かに感じる。
と長々とエントリーしましたが、楽しかったです。またたまには夫婦で遊びに行こう。