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  2006-06-18 ‖Sun‖   

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  蛍、村上春樹再読

巡回しているサイトさんでふたつ、「村上春樹再読」の文字を見る。とミームが伝わっちゃって私も古い作品を出してきてついつい読みたくなるわけです。懐かしいなあ。「風の歌を聴け」を読んでどれだけ神戸の港町に高校生の私は憧れたことでしょう・・・。両方とも40代男性なのだけど昔読んだ「1973年のピンボール」や「羊をめぐる冒険」、もう初めて読んでから私も含めて20年ぐらい経っているはずなのだけど、それでもまだ読み直したいという渇望が湧く作家っていうのはやはり特別な引力があるんでしょうね。今日は天候も持ち直して昼からは風も気持ちよい快晴。風の吹き渡る大きなダイニングテーブルで子どもたちが絵を描いているところで時折会話しながら、白ワインを飲みつつ「羊をめぐる冒険」を読む。この独特の空気感、しばらく私も再読にはまりそうだな〜。

今日は有馬に蛍を見に行く。時期は今がベストなのだけど天候に左右される蛍の飛行、雨上がりで風のない日でまさに今日はうってつけ。夕方ぐらいにぶらぶらと散歩がてら出て、有馬について蛍の出現場所を観光案内で確認したあと、簡単に夕食を取り日が暮れるまで散策。日曜の夜近くなのでもう観光客も引けてしまってかなり静かで気持ちいい。夕闇に浮かび上がるアジサイの花や柔らかい白熱灯の明かり、涼しい夕暮れに足湯でしばらく休んだ後有馬川の下流の蛍スポットへ。橋の上で目を凝らして見ていると暗くなるにつれてゆっくりとした柔らかい光の点滅がはじまり、闇が濃くなるにつれてその光がふうわりと浮かび上がる。20匹ぐらいが静かに点滅を繰り返しながらゆったり飛ぶのをしばらく見ていた。ふんわり飛んでいるので手ですくうと掌に入ってくれてその中での点滅を楽しむ。ぐりぐらも不思議そうに手の中の予想外に明るい蛍の腹部の点滅を眺めていました。子どもたちにとっては初めての、私やダンナにとっては20年振りぐらいの蛍の光。やはり現実をふと忘れさせてくれる幻想の光ですね。そういえば村上春樹であったなあ。「蛍」という短編。かなり深みモードに入りつつあります。


llcll@MOBILE at 06.18

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Comments

そういえば、ちょっと前の、AERAに、”昔の村上春樹のほうにこだわる人がいる”とかいう特集やってましたよね。実は、私は、”世界の終わり・・・”は読んだモノの、あとは、ノルウェイの森まで初期の作品はきちんと読んだこと無いのですよ〜。

>この独特の空気感・・・
うんうん、わかるような気がします・・・また浸りたくなったら今度は、初期の作品にあたってみようかな〜。

蛍・・・見えたのですね、、よいですねぇ。。。


ゆりあん at 06.19*12:24 PM

あ、見ました見ました。そのAERA、村上春樹の「この作品群を読んでいる人のタイプはこれだっ」みたいな企画でしょ。けっこう受けてました。
私は初期読者ですね〜ねじまき鳥ぐらいから離れてるかな〜。
でも一環して好きなのは「村上朝日堂の逆襲」ぐらいからのちょっととぼけたエッセイ群。
あと短編が好きです。「日記で「蛍」の短編と書いた「蛍、納屋を焼く、その他の短編」なんかお勧めですよん。長編のベストはゆりあんさんと同じ「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」だよ〜。

よく言われることだけど、「喪失感」とか「何気ないけど洒落て見える生活スタイル」あたりが
初期作品のキーワードかなあ。「風の歌〜」と「1973年の〜」と「羊〜」は僕と鼠の三部作なのでいもづる式に読んじゃってます。


llcafell at 06.19*04:19 PM

こんなことやってる場合じゃないけど自宅で一息・・・
そうそう、私”短編”ってので敬遠していたのかもしれない、、3部作のどれか、家にあったはずなのだけどなぁ、、、今度トライしなくちゃ。。

>「何気ないけど洒落て見える生活スタイル」
さすがカフェさん表現が上手いです。そうですねぇ〜。
あと、ねじまきどり以前くらいまでを読んでたときは、個人的にはsex描写が変に凝ってなくてものすごく自然で結構好き(と、いうとちょっと語弊があるが・・恥)だった記憶が・・・

作品名は忘れたけど、アメリカ在住の頃のことなどをつづったエッセイを読んだことがあって、とつとつとした語り口がこれまたよかったことを思い出した、、この本もどこにいったのだろう・・・
たぶん、”村上朝日堂”とかより以前のものだと思うけど・・・

さっ、いまから息子のキャッチボールの相手してきます〜(家の中でやるのですが・・・涙)
50回やったら、お風呂、という約束で・・・


ゆりあん at 06.19*08:50 PM

やっと「うで〜」娘が寝付いた・・・このあたりの時間はなんせ子どもを寝付かせるのに母親たちは
必死ですよね〜(笑)

うん、主人公が目玉焼き作っても、サンドイッチ作っても、雑巾で家中掃除していても、
洒落て見えるんですよね〜どうしてかな〜。
ああーセックスの表現はそうですねえ。多分若い頃はどろっとした生々しい他作家の表現ってどうも
こってりしすぎて受け付けなかったところに、村上作品のは「生活の延長の素敵な行為」という感じが・・・はっ。このブログにこんなこと書いていいのか私!(笑)

多分それは「遠い太鼓」じゃないですか?ゆりあんさんの書き込みでこれも私が好きなエッセイだったのを
思い出しました。放浪の旅系の本はもともと好きなんだけど、ふらっとひとりでどこか行きたくなったら良くこのエッセイを読み返していた記憶あり、です。

さーていまから洗濯物たたんで自分のお風呂だ〜 ← 洒落てない何気ない日常(笑)


llcafell at 06.19*09:42 PM
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