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  2008-06-17 ‖Tue‖   

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  京都と日本酒と読書

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レギュラーで回している京都関連の仕事、今回はゲストでお茶の先生をアテンドして染色家のところへ取材。いや〜京都のモノ作りはやっぱり、人を惹きつけるだけのものはあるなあ。毎回いろんな取材をさせてもらうたびに、やはり古都の数千年の歴史の中で育てられたモノ作りは独特の奥深い世界があると感じる。今回のゲストはお茶の先生だから当然着物にも詳しく、染色家のおじさま(60歳なんだけどとても見えないアーティスティックでかつ気さくな人)との会話から学ぶことも多かった。ゲストの方は60代後半、染色家のオジサマは女性好き(だけどちっとも嫌な感じじゃないところが年季というもの?)で、「僕は年上の女性が好きで、この前もアメリカ生活が長かった91歳の女性とデートしたんだよ〜」とか言うのを聞いていると、こういう世界が待っているならおばあちゃんも楽しいかなと(笑)。

染色の現場でちょうど沈んだ朱を塗った帯に「源氏香」の模様をつけたものに、黒を上塗りするところを見せてもらった。って言ってもゲストさんと先生が普通に話す「源氏香」、さっぱり分からず調べると昔の「香合わせ」の組香の遊びらしい。5つブラインドで香をきき、そのどれとどれとが一緒かというのを記号で表すというもの。いや〜今の日常とは対極の雅やかさだとしみじみ。

食事は懐石に日本酒だったのだけど、この出された冷酒が「蔵出し生原酒」が気に入ってしまった。度数は17なのでかなり高い。日本酒にもちょっと進出したくなるようなそれぐらい「美味しい〜」という感想でした。京都堪能。

帰りの電車で田口ランディの「もう消費すら快楽じゃない彼女へ」エッセイ読了。この題名は聞いたときから心の中に残っていた。うまい題名というか興味をそそる一文だなあと。なかなか読み応えのあるエッセイでした。あまりスピリチュアルに流れる話は客観的になるけど、弱者への視線が一見冷たいようで優しいところが良かったなあ。特に子どもの時のアンビバレンツな精神の警告から、自分小さい頃に体験した自然の話、それと普通の日々の営みが強いとかなんとかいう話が残っている。興味継続。もう少し他のも読んでみよう。


llcafell at 06.17

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