SANAA設計のあまりにも有名な建物は眩しいぐらいの青々とした芝生の中にありました。透明な平たい円筒ですべてが開放的な窓になっていて、展示はその中に区切られた白いスペースが迷路のように入り組んでいる。子ども達とは順序をあまり決めず、かくれんぼしている何かを見つけていくように展示を鑑賞していったのだけど、もともと現代美術の雰囲気好きの私にはとっても楽しめた。有名な「スイミングプール」はやはりぐりぐらの受けが良くて、上から覗き込んだり下にもぐったりでかなり長い間遊んでました。個人的には切り取られた空の窓である「ジェームズ・タレル」の「ブループラネットスカイ」がお気に入り。長い間この展示室に入って雲が流れるいろいろな表情を何枚も写真に取った。ここに載せたのはベストショットの雲です。美術館のお勧めは夕暮れの空の色らしい。また夕暮れにゆっくり来たいし直島にも彼の作品があるからまた楽しみにこちらにも訪れよう。
前にも書いたけれど、こういう美術館は非日常を身近に感じる装置だと思う。作品がどうというより作品を通して自分の中を覗き込めるというか・・・。子どもたちも声を出したり動き回ったりして楽しむことができるしファミリーで訪れる共通項がある美術館という雰囲気です。しかし、去年やっていた「ロン・ミュエック」展、見たかったなあ〜。
あと、特設展示「愛についての100の物語」も全部は見られなかったけれど印象に残りました。天井に一面に吊り下げられた電球が、自分の心拍数を移して点滅するインタラクティブな作品が良かったし、好きな船越桂の彫刻と思いがけず遇えて嬉しかった。パンフレットに載っていた谷川俊太郎の詩を記録、このときの記憶として残しておきます。
あいあい 口で言うのはかんたんだ
愛 文字で書くのもむずかしくないあい 気持ちはだれでも知っている
愛 悲しいくらい好きになることあい いつでもそばにいたいこと
愛 いつまでも生きていてほしいと願うことあい それは愛ということばじゃない
愛 それは気持ちだけでもないあい はるかな過去を忘れないこと
愛 見えない未来を信じることあい くりかえしくりかえし考えること
愛 いのちをかけて生きること