水曜日の春分の日を挟んで(この日はお墓参り)、週末に気になっていたミヒャエル・ハネケの「愛・アムール」を観てきた。パリの高級アパルトマンに済む教養の高い老夫婦、教え子のコンサートを聴きに夫婦で楽しんだその後、妻に異変が起こり手術、そして失敗して半身不随となり夫が介護する生活が始まる。始めは妻も気丈でプライドを失わず文化的な生活をふたりで送っているが、少しずつ妻は衰弱して認知症に近い状況になっていき、気丈に支える夫も少しずつ精神的に追い詰められていく。冒頭の始まり方がショッキングなのだけれど、それはふたりの最後の悲しい結果だったのだと途中から気付かされて切ない。娘が介入してその度悲しんでどうにか手をうとうとするが、夫婦の間の絆の前には介入できずに終わってしまう。自分の身の上にも起こりうる非情な現実の上に浮かぶ夫婦の絆が題名になっているんだろうなあと。なかなか重い、考えさせられる映画でした。人生の終焉は自分で選べないんだなあと。映画館を出るとき、映画に出てくる夫婦と同じぐらいの夫婦がゆっくり、夫が妻を支えながら出てくる後ろ姿が印象に残りました。