すぐ前のエントリーに書いた林真理子の短編の中に「チェロを弾く息子」というのがほとんどストーリー展開せずに言葉のみで出てきたのだけど・・・実は理想です。チェロを弾く女でもいい。
もちろん原風景があって、昔ピースかなんかのJTのテレビCMで溝口肇が煙草を1本吸っておもむろにチェロを弾く、多分バッハの「無伴奏」だったと思うんだけど。そのモノトーンの背中のあまりの格好よさにそれからずっとやられています。私は学生時代に木管楽器をやっていたんだけどやはり弦楽器には敵わないとずっと思ってました。その感情表現が・・・弦ってもう第2の声ですよね。泣いているように聞こえる音とかはやはり管楽器では難しい。
音楽を楽しめる心は持たせてあげたいです。自分の子ども達に。それが楽しめることによって人生に彩りが出るだろうし、そして人生に辛いことがあったときには音楽がそれを癒してくれると思うから。単に聞くだけでもその恩恵は受けられるんだけど、その音楽を表現する側になったときの麻薬のような高揚感は味わって欲しいなあと。
そして、チェロを聞くうちに悲運な美貌のチェリスト、ジャクリーヌ・デ・プレを知り、そしてこの映画にたどり着きました。非凡な才能と美貌を持ち合わせた妹のジャッキーと、その平凡な姉との物語。心に残りました。本当の幸せは何なんだろうと考えせられる佳作です。