■■■ 2004-08-27 ‖Fri‖ ■■■
博士の愛した数式
その数学の先生は黒板いっぱいに数学の証明を書いた後、おもむろに前を向いてにっこりして言った。「数学は美しいものです。」「数学はエレガントなものです」
本屋さんが進める本グランプリの「博士の愛した数式」です。なり評判が良くて昔なら天邪鬼な私は手をださなかったんだけど、最近は素直なので興味のおもむくまま買って読んでみた。ああいい本でした。この半年ぐらいで1番心に響いた本。
事故による脳の障害で記憶が80分しか持たない数学博士、そこへ家政婦としてやってきた私とその息子の「√(ルート)」、それぞれがそれぞれの弱みを抱えながらやさしく歩み寄り、純粋に相手を喜ばせようとする静かな、暖かな日々のやりとりに思わず切なく涙を誘われました。博士が「美しい」と表現する数式、素数や無理数、πや三角数に思わず冒頭に書いた高校の数学の先生の言葉を思い出した私。その言葉を高校時代に噛み締めることはできなかったけど(よって文系)、今になって数学という純粋に抽象と理論を重ねる学問を、少しでも学生時代に知ることできたことは素晴らしいことだと思うようになった。そういうことに喜びを見出し美しいと思う人間の脳の可能性に改めて感じ入るというか。中でも子どもを愛する博士とその博士を受け入れる「√(ルート)」の交流のあれこれがとても好きです。こういう風に子どもにある意味敬意を表しつつ、愛情を降り注ぎ数学を教えるやりとり、これが学問というものだよな〜と。文句無しにお勧めの本です。
ところでこの「博士」の設定、どこかで知っているなあと自分の本棚をざっと見たときに思い出した。この「妻を帽子とまちがえた男」という本に載っていた症例の「コルサコフ症候群」だ。記憶が数分しか持たずに日記を書くように進めてもうまく行かず、メモを体に貼るという記述がでてくるあたり作者小川洋子のアイデアの出展はここかな〜と思わせるものがあります。映画「レナードの朝」の原本を書いた脳神経臨床医のオリバー・サックスのこの本もかなり読み応えあって面白いです。
さてと、明日から一泊で逃避してきまーす。おいおい今月の有休消化4日目だよ。まあ夏期休暇があるからよしとするか。
■ llcafell at 08.27 ■
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■■■ 美しい数 ■■■
‖excerpt‖ 「1から100までを足すといくつか」 その本には、私が以前日記に書いた算数の問題
‖ who? ‖ 水澄家のかけら
‖ when? ‖ 11.01*08:31 PM
■■■ 美しい数 ■■■
‖excerpt‖ 「1から100までを足すといくつか」 その本には、私が以前日記に書いた算数の問題
‖ who? ‖ 水澄家のかけら
‖ when? ‖ 06.08*12:56 PM
TBさせてもらおうと思ったのだけど、どうも設定がわからなくて、、すいません。
この博士の記憶障害、ワタシはドキュメントか何かでみたことあるのだけど、実際あるのですよね、、、
ご紹介の本もまた読んでみたいところです。
今日はリフレッシュされてるのかな。。実は、私も日曜から一泊予定。
台風大丈夫かな・・・
こんちは〜!日記にも書きましたが、高熱出してぶっ倒れておりました。ダンナに「何しにきてんねん〜」と言われて本当にその通りでございます。
本、けっこう面白いですよ。他にも「表題」の「妻と帽子をまちがえた男」てのも、物体そのものは見えるのにそれが言葉とむすびつかないという脳の障害を持つ人の話です。昔心理学で、てんかんの発作をおさえるため脳梁を切断した人の障害をもとに脳のどの部分でどういう働きがあるかが分かったという話を聞いて、興味が出てきて読んだものです。ぜひぜひ〜