■■■ 2009-12-21 ‖Mon‖ ■■■
クリスマス童話
もうふたりとも小学生になったので、絵がメインよりは童話でいいかな・・・と思いつつ、ぐらには「ギリシャ神話」。星座占いとか星の話で名前の由来を聞かれるので、そのエピソードを話そうとするとギリシャ神話ははずせないんだよねえ。個人的には小さいときには北欧神話が好きだった。ギリシャ神話よりおおらかな感じがしたからかなあ。そしてぐりには「おそうじをおぼえたがらないりすのゲルランゲ」
自分が小さい頃によく読んだ本ってだいたいは今でも覚えているものなんだけど、この絵本は実は書店で見かけて、それがフックになって「あ、そうだこの童話私大好きだったんだ〜〜」と一挙に記憶がよみがえってきた本。それまでは記憶の奥底に沈んでいたんだよね〜。ついつい自分の読書体験をもとに本を選んでしまう。それだけ精力的にうちの子供たちが本を読まないからかもしれないけれど。
それに引き換え、私はいろいろと手を出しては中途半端な読書になっているなあ。記憶に残っているのは「ダブル・ファンタジー」とか数冊あるんだけど自分の感想もあまり残していない。やっぱりツイッターのログだけでは浅いままなのできちんと文を書こうと思いました。
■■■ 2009-06-23 ‖Tue‖ ■■■
1Q84にとり憑かれる
「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」を頂点に初期の初期にずぶりと嵌まり込んで、「ねじまき鳥クロニクル」あたりから彼の本から離れていった。「アンダーグラウンド」に至っては読みもしていない。幻想的で繊細なプロット、個人の内面の内面まで掘り下げていく彼独特のやり方が好きなのであって、社会的なノンフィクションについては、彼じゃなくても他の人のノンフィクションでも良い訳だから。
最近読んでないところにこの熱狂振りで書店で売り切れたということもあり、買うかどうかを迷っていた。さっきも書いたけれど村上春樹とは離れていて、今回の話題作を読んだときに昔の著作を気に入っているあまり失望することが嫌だった。なのでまずは柴田元幸の村上春樹インタビューを読んでみた。回顧録みたいなこのインタビューを読んで読んでみたいという気持ちになってきて、結局他の本数冊を買ったついでにBOOK1を購入。中野京子の「怖い絵3」を読んだ後に何気なく読み始めてとり憑かれてしまった。
全く違うように見える世界が、少しずつ明らかになっていきそしてつながっていく「世界の終わりとハードボイルド・・・」の手法で進む物語は、文章はあまり飾らずに率直で読みやすく、でもやはり村上春樹の文章。しかし私が離れていた時代に力量を積み上げてきただろう社会的な内容について厚みが以前とは段違いに思える。人間の心の弱さを蝕む社会的なシステムに真摯に、でも怒りをこめて対峙する姿勢が見える。既にもうノーベル賞に近い作家としての使命、というかノブリス・オブリージュの感あり。
まだ途中なので切れ切れの感想だけど、あと登場人物が複数の年代、性別にわたっていてどの世代が読んでも近い年代の登場人物の目を持って物語に入っていき、その社会の問題に直面させられる仕組みになっているなあと感心。
毎日電車で読み家で読み、とりあえずBOOK1は3日で読了。明日からBOOK2に入ります。個人的には青豆のプロフィールや考え方が好みです。
■■■ 2009-04-02 ‖Thu‖ ■■■
面白い歩み寄り
さて、2日目。ダンナは優雅に朝からジョギングなんかしてるのに、私はまったく余裕なし。6時に起きてお弁当入れて、夕飯の支度をして洗濯をたたんで・・・「うわーお母さんまた余裕ない〜倒れる〜」とぶつぶつ言っていると、不穏な空気を察したぐりぐら、きちーんと家を出る10分前にいつでも出れる用意までして「お母さん、頑張って!」だって(笑)。そのおかげでまた着替えと化粧で7分でどうにか今日は間に合う。エレベーターで二人まとめてぎゅーってしてお互い「行ってきます〜」と別れる。ふー。来週からは学期の始め終わりは子どものお世話係で15分ぐらい早くでなくちゃいけないのに、大丈夫かなあ〜不安だ〜。
とにかくもう少し子どもたちにお手伝いを割り振って、ダンナにも何かしてもらわなきゃだな。とりあえず今は仕事が待ちの状態で凪いでいるのが幸い。忙しくなるのは入学式が終わって給食が始まってからにして欲しいなあ。
さて、そんな中図書館で「軽いの読みたい」と借りた「懲りない男と反省しない女 (中公文庫)」がなかなか面白かった。渡辺淳一といえば今は「欲情の作法」だっけ?これは「GOETHE」で連載されてた気がするんだけど、当然「愛の流刑地」とか女性サイドから見ると「・・・・」なぐらい男性の理想極まれりという極右の女性観をお持ちな訳ですね。そんな御大と婦人公論の40歳ぐらいの女性編集者との対談、というかお酒の席での会話みたいなものを集めたものなんですが、当然中央公論社の編集者ともなれば反論もあるわけで(笑)。それも反撃じゃなくてけっこう呆れた感じで合いの手を打ちながら、「男と女」の愚かさにそれぞれが歩み寄るといった感じで読みやすくって面白かったです。「オンナ1」とかにされているけど、この人の会話から想定されるキャラクターがなかなかツボでございました。
Amazonでちょっと調べていたけど、同じく渡辺淳一の書いた「秘すれば花」は書評を読んでいるとなかなか興味引かれるので次に借りたいと思います。
さーて油売ってないで、今のうちにやれる仕事しとこうっと。
■■■ 2009-03-05 ‖Thu‖ ■■■
猫を抱いて象と泳ぐ
チェスをモチーフにした凄く精密でストイックな世界を描いているのだけど、静謐で暖かい。小さな世界の中での想像力の豊かさが余すことなく文章で表現しつくされている。小川洋子は最近は「ブラフマンの埋葬」を読んだけれど、こちらは今ひとつ記憶に残らなかった。「数式」の話といい考えつくされた規則は詩的に美しいというモチーフは今回は「棋蹟」。チェスの指し方でその人の人生が分かるという何とも奥深い物語。からくり機械の中に入って一生涯チェスをやり続けた主人公もさることながら、登場人物にそれぞれ愚かにも見える寓話的なエピソードがあって、それが愛おしさを感じさせ、切ないです。
少しまとまらないのでまた追記します。花粉症で脳8割ぐらい働いてないので・・・
■■■ 2009-01-13 ‖Tue‖ ■■■
AROUND40文学2冊
林真理子の方は雑誌「Precious」に連載されていたのを虫食いのように読んでいて、通して読みたかったのもあった。40を過ぎて夫と娘のある働く女性が、自分の母親が介護しなければならない状況になり・・・というモチーフ。相変わらず作者の林真理子の好む「セレブリティ」的なシチュエーションやファッションは設定と小道具としてあちらこちらに顔を出す。まあファッション雑誌に連載するのでは致し方ないか・・・。しかし「Anego」も確か「Domani」で連載してたんだよなあ。結局雑誌での連載物って、雑誌読者の願望の投影を外れることは許されないんだろう。でもやはりこの人は文章がうまいし、主人公を実は客観的にかなり冷静に描いている気もする。
川上弘美はいつもの私の好きなたゆたうような文章は健在。モチーフはかなり生々しいアラフォー女性2人をめぐる恋愛を登場人物の目を違えることによって淡々と描いていくもの。ストーリーの骨子だけ見れば複数の男女が絡むドロドロ恋愛ドラマだけれど、川上弘美の手によってもっと内面的・内省的に深いところを読み手が想像できるような流れになっていてなかなか良かった。
この2冊を一緒に読めたことは面白かったな。「秋の森の奇跡」がアラフォーになり、それでもまだ女としてこんな素敵な恋愛ができるみたいな「まだまだ右肩上がり」を強調する反面、「夜の公園」はアラフォーになってまだ自分の心を自分でははっきりと分からず、でも今までのことをそぎ落として次の一歩をまだ自分自身が分からないまま踏む感じ。やはり作家なりの独自の世界がはっきりあるんだなあ。
ということで次は私のもとの読書路線に戻った「黄昏たゆたい美術館」に入ります。こういう絵画美術系モチーフの推理小説、久しぶりだなあ〜楽しみです。