TOP >> MY THINKING >> 心ヲ 配ル  

  2005-03-22 ‖Tue‖   

go this category!

  心ヲ 配ル

3月18日 神戸新聞の夕刊の「随想」掲載です。

モノが溢れている現代社会。多くの人がモノを使うだけで、創りだす事をしない。その危機感を感じている人達は多い。

イギリスではその原因の一つが、コンピューターゲームの弊害と考えられている。何故、コンピューターゲームでこのようなゲームが出来るのかが、わからない子供達は、考える事をしなくなる。結果、モノづくりが出来ない人間が育ち、そんな大人ばかりの社会となっていけば、これは大きな社会問題である。

その意識から、現代イギリスでは「からくり人形」を使った教育が行なわれている。その動く仕組みこそが、子供達のモノづくりに対する興味の入口となる。ギアを回すと、隣接したギアは逆の方向に回る。子供達は楽しみながら、学習する。こんな小さな動きの組み合わせで、複雑で大きなモノを動かす事が出来るのだと・・

私のホームグラウンド(?)である有馬、その独自性のある街づくり、ここ数年の広がりに勝手に密かに敬服している「御所坊」のご主人のblogです。いかにも観光地情報ではなくて、センスある街を楽しむノウハウみたいなものが紹介されていてよく覗いているのですが、今回この文章に考えさせられることあり、です。

そう、コンピュータやゲーム文化そのものが悪いのではなくて、あまりにも理解を超える複雑さの上に成り立っているために「考えることをしなくなる」ことが怖いだよなあ。子どもだけではなく大人も。コンピュータゲームを考えだすことは立派な「モノづくり」だけど、それを使う方はどういう成り立ちでそう動くのか疑問すら持たない。それが怖いんだよなあ。

ところでこのblogで西本智美さんが来ていたみたいな記事を見て「!」と思う私でした。さすが有馬!


llcafell at 03.22

Trackback

TrackBack URL for this entry
  http://llcafell.s28.xrea.com/mt/mt-tb.cgi/1018  


Comments

たしかに今のTVゲームはあまりに高度化しているので、「自分達でも作れるかも」・・・というチャレンジ心は湧いてこないでしょうね。完全に消費の対象だと思います。

自分は子供の頃、まだTVゲームが単純だった時代だったので自分で「テトリス」とか作って喜んでました。作り手に回るといろんな苦労が見えてくるので、その分人の工夫に敏感になって感動を覚えることが多かったと思います。

子供達も消費に飽きると自分達で取り組めるものを見つけて創意工夫していくんでしょうが、中には消費だけの生活に疑問を持たない子もいるから、それを子供の個性として受け入れるかどうか微妙な問題ですね。


zig at 03.23*12:31 AM

消費だけに終止すること、の最大の弱点は「飽きること」だと思います。どんなに焦がれて手に入れた商品も買ったとたん飽きちゃうってのありますよね。モノを買うだけではなくて、例えば旅行でも観劇でもおいしい食事でも、最近しみじみ思うのだけど、決して嫌いではないにも関わらず、この「消費」のみを繰り返していると自分が本当に擦り減る気がします。あくまでも私の話ですが。少なくとも自分が「生きている実感」を感じるのは「消費」だけの中ではないですね〜。

私は個人的にゲーム文化を徹底排除するところまでは振り切っていません。例えば・・・ファンタジーの領域を提供してくれるとか別の側面もあるのではないか、なんて思います。ただ、基本的に自分が生物として何で生かされているのかを理解した上での受け入れであって。それでちょっとこの文章を読んだ時に心に触れるものがあったのでエントリーに上げてみました。

どこかの広告で「生きるのに必要なもの」を都会の若者にインタビューしたところ、「1位:お金 2位:ケータイ」という結果があったそうです。そうさせる環境に自分の軸を置きたくないし、子どもにも置いてほしくないんですよね。

と、まとまりのないレスになりました。しかしテトリスって簡単に組めるものなんですか?すごい!


llcafell at 03.23*01:08 AM

 有馬ブログをご愛顧ありがとうございます。
 「モノづくり」のできる人を有馬温泉に集めたいと考えています。その一つとして、ギャラリーを開き、定期的に色々な作家を招きし展覧会を開催しています。
 グリコのおまけのおもちゃを作っていた、加藤裕三さんと西田明夫さんが「からくり人形展」を開いてくれた事が縁で、有馬玩具博物館が出来ました。

 加藤裕三さんは亡くなったのですが、その友達がピアニストの戎洋子さんで、彼女は西本智実さんとロシアで活躍しています。その縁で戎さんが西本さんを連れてきたのです。

 戎さんはプーチンのファンで、会う時には下着を替えていくそうです。また西本さんはエリザベス女王の前で演奏した後に、女王に何か言いたい事が一言あるそうです。どちらも強い大阪女性です。

 有馬のような観光地に住んでいると、時々彼女達のような変わった人と出会うことがあります。それが閉鎖的な温泉街では大きな楽しみです。
 今後ともよろしくお願い致します。


有馬ブログ at 03.24*07:15 PM

コメントありがとうございます。
西田明夫さんのからくりおもちゃは、岡山の「田舎の日曜日」で目にして以来のファンで
まさか有馬で遭遇できるとは思いもよらず、でした。玩具博物館も数回行きました。いいですね。何回行っても楽しめます。

有馬の「御所坊」を中心とした広がりには、言葉で言い表せないアティチュードを感じます。箱よりもなによりもその「雰囲気」に私はとても惹かれます。メディアのバイイングという仕事柄、こういうアティチュードをどういうコミュニケーションで知らない人に伝えられるかな〜と勝手に考えたりしちゃってます。

近場の住人としてこれからも応援してます!


llcafell at 03.25*03:29 PM
Post a comment







Remember personal info?