もともとポール・オースターの短編「オーギー・レンのクリスマス・ストーリー」をモチーフにしているんだけど、この短編自体はとても短くて映画の最後10分ぐらいしか出てこない。それまでの伏線がいろいろあって、マンハッタンの角の普通の煙草屋をめぐる人間模様が淡々と語られる。どの人も隠したいちょっと切ない過去があってそれを抱えながら生きている。それの一番の見せ所はウイリアム・ハート扮する作家が、煙草屋の主人オーギー(これはハーヴェイ・カイテル)が毎日自分の店の角から10年定点観測で撮っている写真のコレクションを見せてもらっている時、その中に殺された妊婦だった自分の妻を見つけるくだり。じーんときます。それがあまり押し付けがましく演出されず自然に話が流れていって、それがあるから最後のハートウォーミングストーリーが際立つという感じ。ニューヨークの普通の人々の生活の匂いもいい。
って訳で、終わってから深夜3時半までPCに向かい、朝も今日の定時帰りのために怒濤のごとく企画書書き。早く上がってこれを書いています。ああ早く仕事が進行するのって気持ち良いなあ。