内容的には平たく言えば「女性の体の構造を無視して年齢を経ていくと、体や精神のバランスを崩す」みたいなまあ、身体の女性性をもっと尊重しようという感じ。現在の少子化への警告も多々あり、結局は女性の体の構造に反して、セックスを疎かにしたり子どもを産まなかったりすることは間違っているみたいな、ある意味過激な本です。
でも、個人的にこの考え方は嫌いじゃない。著者はラテンアメリカや未開地奥地での、セックスや子供を産むことについての「おおらかさ」を礼賛しているけれど、確かにそれは人生の中で楽しむことのできる「自然につながる」ものという考えは実は自分の中にあったりする。そういう意味で出産自体もかなり前向きに迎えた記憶もあるしね。でもこれが万人に受け入れられるかという事に関しては、かなり疑問だなあ。
しかし、この本ではありあまる性エネルギーを昇華できずにいる30代後半〜の女性を「オニババ」と呼んでいるんだけど、この言葉自体が過激ですよね。光文社の文庫って題名がコピーみたいにインパクト大で頭に残る本が多い気がするなあ。「さおだけ屋」も「下層社会」も確かここだよね。
そして自分の来るべき「更年期」の時に思いを馳せてしまったよ・・・それはさすがに考えすぎかもしれないけどね。その時は迫りくる脅威?はたまたもう「女性」としての様々な競争を降りれるみたいなほっとした諦め?いったいどんな気分なんでしょうか・・・。
そういえば、先日観た「まんが日本昔話」もオニババの話でしたね。
自分もこの「なんじゃこりゃ!?」なタイトルに惹かれて昔本屋でちら読みしました。
とんでも本という程じゃないし、筆者の文章もそんなに攻撃的じゃなかったと思うんですが、やっぱタイトルは攻撃的ですよね。
「クソジジイ」はまだ人間だけど、「オニババァ」は人間ではないので強烈な罵声。子供に言われたらメッチャ嫌な言葉だろうなぁ。。。
その昔話で伝承される「オニババ」というのが、昔はそういう未婚で性的エネルギーを昇華できない40代からの女性を作らないように、象徴化したものだと書いてありました。なんだかそれもな〜という感じなんですがねえ。
作者の論調は柔らかいのですが、やはり主題はけっこう偏っていると言うか、「こういう考え方もあるな」程度の感覚がいい感じかもしれないです。そういえば「オニジジイ」はないですよね〜。やはり怖いものは女という事かな(笑)。