ミリオンダラー・ベイビー
そして午前中からPCの画面を食い入るようにして見た「ミリオンダラー・ベイビー」やはり「ミスティック・リバー」同様シリアスな、でも静かな抑えられた表現の中に最大限の感情の揺らぎを引き起こす映画でした。イーストウッドは当然俳優としても非常に素晴らしいことが再認識、というか。静かなギターの音で淡々と進む話。貧困に喘ぐヒラリースワンク演じるマギーのボクシングトレーナーをはじめは嫌々引き受けたダン(イーストウッド)、が彼女に音信不通の娘を重ね合わせて心を通わせていく。マギーは瞬く間にスターダムにのし上っていくのだけど・・・。
イーストウッドとモーガン・フリーマン、どちらもどちらを食うことなく非常に味わい深い掛け合いでした。でもやっぱりヒラリー・スワンクが凄かったな。ダンが彼女のボクシングのデビューの時にアイルランドの言葉を縫い取りされたガウンをプレゼントするのだけど、その言葉の意味を最後まで教えてもらえなかったマギー。途中から「たぶんこういう言葉の意味なんだろうなあ」と自分で想像するだけで涙が出てきちゃいました。過度な表現をぎりぎりまで削って生まれてくる余韻、感動ですね。
ところでこの映画にすら「プロダクト・プレースメント」があると聞いていたのでちょっと意識して鑑賞。気がついたのは、ダンが音信不通の娘に宛てて毎週書いている手紙が差出人に返却されてくるシーンが出てくるのだけど、その返却された自分の手紙をクローゼットの中の箱にしまう、その箱が確かNIKEのシューズの箱だったような。いや〜映画のトーンに合わせた控えめなPPだけど、きっと唸る程お金がかかっているのでしょうね。