レイトショーだったので残業して軽飯して8:45分からの上映に入る。いや〜OLナイトですね。マイナーな映画故小さな客席も2割程度の埋まり具合。この鄙びかたがマイナー映画を観る醍醐味です〜。
映画はやはり「パリ・テキサス」の空気感を彷彿とさせるアメリカの荒野にギターの取り合わせから始まり、酒と女に溺れ続けた落ちぶれた俳優が映画撮影場所から失踪して、母を30年振りに訪ねる、そのときに自分に子どもが居る事を知り会いに行くのですね。かつて恋愛関係にあった子どもの母親役に実生活でもサム・シェパードのパートナーであるジェシカ・ラングが演じていてとてもうまかった。自分の好き勝手生きてきた人生に嫌気というか、苦い後悔を抱いている主人公に突然現れた淡い「家族の絆」へのあこがれをいい空気感で具現化しちゃってる感じ。この映画に出てくる女達(主人公ハワードの母、元恋人、ハワードがかつて関係を持った女の娘)は年代は違っても共通した「究極の男の理想」の雰囲気がある。平たく言えば「男がどんなに好き勝手なことをしても、それを受け入れて慈しんでくれる懐の深さ」みたいなもの。監督の理想の女性像でもあるのかもしれないなあ。ハワードやハワードの息子と好対照で「女性性」への敬意というかオマージュというか、そういうものを感じました。別に20年前の話でも違和感のない主題で、設定で、舞台で、ファッション。あ、でもサラが父親のことを検索するmacはしっかりOSXだったけどね。
ジェシカ・ラングはいい年の取り方をしてますねえ。魅力的だし後ろ姿の立ち姿がきりっとしていて素敵だった。サラ・ポーリー@「死ぬまでにしたい10のこと」も周りに纏う雰囲気がとても個性的で多分この人これからもっとブレイクするだろうなあ。
さて、映画館に行くとそこでパンフレットチェックして「あ、これ観たい〜」の次に繋がっちゃうのですが次回は「メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬」だな。トミーリー・ジョーンズの初監督作品でカンヌで評価の高かった作品。トミーリー・ジョーンズもロバート・レッドフォードやクリント・イーストウッドのように名優から名監督への道を歩き出しそうですね。しかしこの映画の題名ってものすごくフックがあるよなあ。ガルシア・マルケスとかあのあたりの南米の作家の本の題名そのままの雰囲気がある。
さて、また宣言しちゃったんですけど観れるのでしょうか。レイトショー終わって家に帰ると終電になっちゃって次の日ツライんだよね。