まだ比較的追いつめられていない月曜日に見た「花様年華」。わたしはまだ「韓流」には足を踏み入れていないのだけど、ウォン・カーウァイ監督の映画は好んで見ている。「恋する惑星」で興味を引かれ「天使の涙」でノックアウト、という感じ。スタイリッシュなアジア映画の先駆けといえばそれまでだけど、彼は香港の雑踏の中での人の孤独を描くのが非常にうまい。そこが惹かれた理由です。「天使の涙」はDVD持ってます。サントラも持ってる。
その「天使の涙」、そして「ブエノスアイレス」の次に撮られた映画が「花様年華」。ストーリー自体はシンプルで古典的な恋愛ものなんだけど、何せ全編に流れる抑制の美学と映像と舞台になる返還前の香港の雰囲気が抜群に魅力的だった。ある日隣同士に引っ越してきた2組の夫婦、いつしかその2組の夫婦の片方の夫と妻が不倫関係に陥った事を知ったそれぞれの連れ合いが、やがて惹かれあっていくというメロドラマ風の展開。少ない言葉のやりとり、多分恋愛の艶のエッセンスはこういうところに存在するのだろうなあという感覚。
もしなれるのならこういうスタイルになってみたいと思わせる程マギー・チャンのチャイナドレス姿がとても美しくて、女の私にとってもすらも眼福という感じ。トニー・レオンもこうほの暗い照明の下で出来る目の陰が非常に艶っぽい。お互いのお互いへの愛情表現が抑制されているからこそ、溢れる感情が伝わってくる。昔からどうもこういう設定に弱いなあ。「日の名残り」なんかも私の中ではこの範疇で最後で泣けてきちゃったし。
ところでまた話は元に戻って、最近仕事がまわらなくて数日早朝に起きてやっていたんだけど、今日は今私がこれを書いているリビングでダンナが起きて仕事してます。日本のサラリーマン、頑張るねえ〜。