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  2006-08-09 ‖Wed‖   

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  ワイルド・ソウル

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久々に一気読みしたクライムノベル、「ワイルド・ソウル」。もともとは友人のHPで紹介されていて興味を持った本。舞台は日本、戦後のブラジル移民政策を推進した日本の外務省の杜撰なケア、その犠牲になった移民の末裔が日本に戻ってきて外務省に宣戦布告する。目的はオフィシャルに外務省がその政策の非を認めて謝罪すること。移民としてブラジルに渡り、始めのうたい文句とはまったく違う未開のジャングルに取り残され退路を断たれ、壮絶な生き方を強いられた主人公たちの生き様が本の前半に丹念に描かれ、途中で読むのをやめることが苦痛な程のスピード感で引っ張る。複数の犯人となる主人公達を縦糸に、横糸にテレビ局でアナウンサーから報道局に異動するも仕事を掴みきれない、人生に焦りを持っている女性を恋愛を絡ませながら物語は進む。確かに友人の指摘するとおり、この女性の感情に自己を投影してしまう女性の読み手も少なくないかも。

前半の壮絶さに比べると後半は少しもの語りとして弱い気がしないでもないけれど、それでも南米の自然や人たちのおおらかさの描写、最後の明るい希望さえ感じさせる結末は読後感がとっても充実していた。もともと土の匂いのする力強い南米のイメージが好きだし、サバイバルを生きぬく主人公達の題名通りのワイルドさにも魅力を感じる。そして友人が「この本に登場する女性は男性の理想とする魅力的な女性で、女性には違和感」という感想を持った彼女については「ちょっと他の登場人物と比べると人格として薄いかな・・・」と思いつつ、それほどのアゲインストな感情は感じなかったけれど・・・それって女性として問題あり?(笑)>友人

あと、細かいところで妙に反応してしまったのが、登場する女性が九州の出身という設定で、クールな美人なのだけど男に逆上したときに発する言葉の「ばかたれ」。このワード、私が子どもを叱る時にけっこう使ってます。私の母は九州女なので彼女から伝わったんだなあ。ぐりも将来自分の子どもを叱る時に使うんだろうか・・・。


llcafell at 08.09

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