■妻の収入が増えるにつれて夫の家事時間は増えるが、ある部分までくると壁にぶつかり、その後は家事時間を減らすようになる。一方、妻は収入が増えるに従い家事時間を減らすが、夫より収入が多くなると逆に家事時間を増やすようになってしまう。
『Second Shift』には、大企業で上級管理職として働く妻が、家事も完璧にやろうとして結局退職せざるを得なくなった例が出てくる。彼女は夫より高収入だったが、「家事は妻である自分の責任」と考えていた。こうした行動を発見した社会学者たちは、高収入の妻は稼ぎすぎて「女らしくなくなる」状態を埋め合わせるために、家事を多くやりがちなのだ、と結論づけている(Robert Drago,David Black and Mark Wooden著、「Female breadwinner families: Their existence, persistence and sources」、『 Journal of Sociology (The Australian Sociological Association)』、2005年、 Vol 41(4)、 pp.343-362)。
■育児のため一度IT(情報技術)企業を退職し、数年後にベンチャー企業の広報職として復帰した日本のワーキングマザーは、「働く母親にとっては1)実家が近い、2)夫が協力的、3)家事サービスを外注できるくらい高収入、の3つのどれかが必要だと思う」と言う。
ほんと、母親で女で働くってことは大変な職業なり。