それぞれにそういう味付け、最後の団地の人間関係に潜むなかなかシュールな世界の「コミュニティ」なんか良く出来ているなあと思ったけど、今回やられたのは恋愛短編「夜のジンファンデル」。40代の大人の恋愛なのに恋愛に至らない、そのもどかしさと心のやるせなさがうまく書けていて「ああ、これ好きだな〜」と。このやるせなさも昔の主観的なものと違い、ひたすら周りの状況も見えながらそれでもせつない、というか。
恋愛小説は本を読んで昔と読後感が最近がらりと変わるなあ・・・と良く思うジャンルだ。昔10代から20代にかけては何も心に訴えてこなかった話が読み返すとすとんとお腹に落ちるというか・・・それだけ私も年齢相応になってきたということかな・・・。そういえば先日家にあった山田詠美の編んだアンソロジー「せつない話」をぱらぱら読んでいて、またもや私にひっかかってきたのはなんと「田辺聖子」。今まで1冊もまともに読まず、この本を昔読んだときにも記憶にも残っていなかったのに。この「雪の降るまで」に描かれる男と女のディープさ、というか濃密さに「ああ、なんだかわかるな〜こういうの」みたいな気持ちを持つなんて、我ながらびっくり(笑)
という読書記録。あー1週間ぐらい何もせずに本ばかり読みたい秋でございます。ちなみに「夜のジンファンデル」の舞台はヨセミテ、「雪が降るまで」は嵐山と場所のリアルな想像もできるだけに良かったのかも。