出版社の雄である集英社は、高校生向けの雑誌の編集長に今回会社のネットコンテンツ部門を立ち上げた切れ者を投入していた。すなわちコンテンツをケータイにも広げていくミッションを担っているということになる。この雑誌は清く正しく文部省推薦といってもおかしくない雑誌。メディアを横展開して潮流を途切れさせないようにという思惑らしい。
そして今回興味深々だったのは、この集英雑誌とほぼ同じ部数30万部を誇る「小悪魔AGEHA」の編集長のお話。女性誌でも編集長は男性が多いのだけどまさに「ギャル」な編集長。徹底した読者目線での成功雑誌で「あゆ」というアイコンに近づくべく、読者モデルが髪を巻き目を大きくする。一番この雑誌が売れる店は道頓堀Tsutayaだそうで、この雑誌内では「age嬢」という言葉や独特の言葉が氾濫している。「おめかしする」「何かを底上げする」「良く見せる」ことを「盛る」と言うらしい。「髪をアップにして結い上げる」「化粧を濃くする」のも全部「髪を盛る」「顔を盛る」だって。へええーーー。こういうことをこういセミナーで知るってのも、なんだか私がどれだけその世代と自分としても、周りを取り巻く環境としても離れているかってことですね。
狭い世界で暮らす高校生だからこそ余計こういう雑誌の志向するパーソナリティが、実際のターゲットを彷彿とさせやすい。「文部省(元)推薦」の普通で人気のある女子高生と、ちょっと色気のあるギャル。それに比べたら40歳向けの雑誌なんて、幸せな主婦かキャリアかの「環境依存型」ばかりだなあとぼんやり思う。雑誌はこの世代は接触あるしもっとここに多様なパーソナリティがあっても良さそうなんだけどね。