「ハゲタカ」はドラマ時代からがっつり見ていて、評価もされて映画化という流れからチェックしようとしてたけどやっぱり「時間ないからDVDかな・・・」と思っていたのでラッキー。ドラマその後の話で、こういう経済ネタって時事性がリアルタイムに反映するから実際の外資ファンドが日本を買収したという時代から数年遅れているというのもあり、映画になって臨場感を感じられるかなあと思っていた。けれど「派遣切り」なんかをうまく取り入れていて息つく間もなく最後まで一気にひっぱっていく感じでした。
企業買収を舞台にTOB(敵対的買収)とそれを防ぐホワイトナイト、各ファンドのつばぜり合いがなかなか凄くて、そういう一歩間違えば地獄という勝負の高揚感というかそういうのがよく出ていた。こういう高揚感というのはどの仕事でもあって、代理店で言えばプレゼン勝利とかになってくるとは思うんだけど、一種働くという決して楽ではない行為の「カンフル剤」になるんだろうなあと。
大森南朋は相変わらずびしっとスーツにメガネ姿、タイプだし懐かしい感じだったのだけどやっぱりこのドラマ脇がいいなあと。メガバンク頭取まで上り詰めた飯島(中尾彬)の底無しダークな胡散臭さと部下の中延(志賀廣太郎)の惚れちゃいそうな素晴らしい声に柴田恭平、霞んじゃいそうでした。
おまけ:
(1)「ハゲタカ」NHK広報パロディCM発見。中延さんはチョコランタンを紹介する人です(笑)
(2)栗山千明が使っている手帳、報道のオフィスで一瞬しか見えなかったけど見慣れた色とデザインだったので目にとまってしまいました。私の使っている手帳と一緒。ファイロファックスのクロス、チェリー。
次は「それでも恋するバルセロナ」、軒並み見る雑誌雑誌に映画評が出ていてウディアレンもたいしたもんだなあと・・・と言ってもかなり巧妙なプロモーションかも知れないけれど。ウディ・アレンが愛するスペインのオビエドという舞台に、彼の映画のミューズであるスカーレット・ヨハンソン、ペネロペ・クルスともうレベッカ・ホールのラテン男とのバカンスの恋のさやあてで、楽しくさらっと鑑賞できましたよ〜。
スペインに思わず行きたくなっちゃう街の紹介と一緒に、ペネロペ・クルスの激情系エキセントリックアーティストの役が魅力的だったなあ。レベッカ・ホールは知性派ですーっとしたスレンダータイプで不器用な役柄なのでカテゴリ違いで置いておいて、同じセクシーさでは甲乙つけ難いスカーレットとペネロペ。スカーレットはどちらかといえばグラマーだけど迫力があってこのあたりの雰囲気はキャサリン・ゼタ・ジョーンズもに似ている。ペネロペは骨が細くてより女性らしいシルエットだけどこの映画ではペネロペがよりいい感じ。たぶんスペインで撮っているというのもあるんだろうけどね。風土にマッチした魅力勝ち。
まあ、でもふたりとも汚いジーンズによれよれのTシャツや、ぼろっとした布系かばんでくわえタバコでもゴージャスに見えるってのがやっぱりスターの証だなあ。真の女力とはこういうものなんでしょうねえ。ふう。