家に一日いると家事とかこまごましてしまい、それ程休んだ気にならないので、最近のお気に入りは半休→単館系映画のコース。昼からのを1本見て少しぶらついて電車に乗ったらいつもと同じぐらいの時間に帰れるしね。水曜日は1000円だし。今回はヴィゴ・モーテンセンの「善き人」を観た。第2次世界大戦前半ドイツ、主人公は自分の母親を介護しながら、ノイローゼ気味の妻に代わって子育て家事もこなす「善き人」の大学教授。ひょんなことから著書がナチス幹部に気に入られてナチス本部昇進の道を歩み始める。ごくごく普通の良心的でナチスを客観的に眺めていられた市井の人だった主人公が、流され強い意志を持たずにいたばかりに旧来のユダヤ人の親友を救えず後悔するところで映画は終わっている。
彼には良心はあり、最期に収容所まで危険を冒して友人を探しに行くのだけど時既に遅し。愛したプルーストもマーラーも禁止されストレスフルな家族を捨てて、教え子の愛人に走りナチスの中で順風満帆に出世していく、その中で持ち続けた誰にでもあるだろう良心は結果的に役に立たなかった。でも誰が彼を責められるだろう。自分だったらと考える一個人を掘り下げた佳作でした。
さて充電した。明日からまた働きます・・・。