二組の思春期に入りつつある男の子と、その父親との葛藤を極め細やかに追っていく映画。とはいっても話の進行はかなりスリリング。男の子たちはそれぞれトラウマを抱えていて、憎悪の報復に動こうとする。それを必死で止めようとする父親たち。一人はアフリカの医療に携わっていて日々人を診察する中で理不尽な死を必死に受け止めており、憎悪の連鎖は何も生まないという信念を子どもに身をもって見せようとする。大人の大きな、でも葛藤を抱える視点と、思春期にしか持ち得ないだろう感情の爆発的な発露のせめぎあいに息を呑んでしまう。個人的には医師の父親の印象と、あと思春期のナイフのように尖って危なっかしい、でも心はまだ少年の心細さを感じさせるもう片方の父親の息子のナイーブな演技がとても良かったです。
おまけ。デンマーク・フィンランドの映画だけれどインテリア、とりわけ別荘が良かった。あんな別荘が欲しい!