去年訪れた犬島は小さかったけれど、豊島はけっこう大きい。レンタサイクルで巡ると気持ちいいとガイドブックには書いていて、船から下りて即効店を狙い撃ちして行くも道を遠回りし、ギリギリアウトになりかけたところを優しいおじさんがどうにかこうにか裏の自転車も総動員してくれた。感謝。とりあえず4人で漕ぎ出す。
季節がいいからオリーブの畑を抜け、あちこちに花が咲き乱れて緑が綺麗で気持ちいい。本当ならもっと暑いはずなんだけれど、風が冷たいから気持ちいい。あちこちの路地に自転車を止めて展示を見て回る。スタンプラリーみたいで子どもたちも楽しんでた。けど毎回入館料300円取られるのはちょっとなあ。せめて芸術祭の会期以外でも1日パスポートが欲しいところかな。日本家屋の中に展示してあったり、ジャングルのような豊かな森を抜けるとその池の中に作品があったり、無造作に村の泉の傍に大きなオブジェがあったり。レンタサイクル、メインの豊島美術館への道のりは峠越えで結構ハードだったけれど、あちこちから海が見えて段々畑やヤギや馬がのんびり草を食んでいるのを見てると大変さも吹っ飛ぶなあと。
そして豊島美術館。静かな風が吹きぬけ、大きなオブジェの内部に入ってひんやりした中で水が生まれて水滴となりゆっくり流れていき、微かに水琴窟の水音がする空間。いつまでもいたかったけれどフェリーの時間が押していて断念。急いでミュージアムショップで葉書だけ買ってまた自転車を漕いでフェリーの出る港へ戻る。行きは大変だったけれど帰りはずうっと下り坂で景色を楽しみながら飛ばして風を全身で感じながら戻る。塩田千春「遠い記憶」と「心臓音のアーカイブ」は断念したのだけれど自分の心の充足感が大きかったです。
フェリー近くの家族でやっている小さな小さなお店でお昼を頼むと「孫が帰ってきてるからおまけ」と言って散らし寿司と獲りたてのイカの酢味噌和えを出してくれた。こういう暖かい気遣いもいい印象となって記憶に残りました。
その後、フェリーで一旦本州側に戻り、また瀬戸中央道で四国へ。いつものキャンプ場にたどり着いたのはとっぷり日の暮れた7時過ぎ。子どもたちも大分戦力化してきたなあ。バタバタと荷物を運んで手分けして寝る準備をしてお風呂と簡単な食事。ぐらは食事もとらずに9時にシュラフにもぐりこみ就寝。そして食事をとって寝静まったあとに一人ワインの晩酌しながら豊島の思い出を反芻。本当に魅力的な島でした。今度は1日ゆっくりかけて残したところも含めて周りたい。