仕事山積みのまま、出張へ。とはいいつつ出張先のミーティングは前々から調整を重ねていてそのキックオフ的なものでそれほど負荷はかからない・・・ということで、お昼の時間を前乗りして1時間半の自由時間を捻出、ミーティングの場所が丸の内だったので近くにある国立近代美術館へ念願のフランシス・ベーコン展に行ってきた。
平日、展覧会も始まってだいぶん経っているからか、人も程よく楽しんで鑑賞できました。私のスタイルはざっと全体を短時間で見て、気に入った絵をあとでじっくりと観るスタイル。点数は多いとは言えないまでも、有名な肘掛け椅子に座る真っ黒な教皇のモチーフの習作、それから三幅対やスフィンクスの連作、じっくり観れました。いつもは気にいった絵は数点なのだけど、今回は全体の点数は30点ながら気に入った枚数が多かった。後半の鮮やかな色を背景に変容する肉体を表現した絵も良かった。鍵を開けてドアの向こうの真っ暗な中に入ろうとする肉体のようなもの。日常の経験則から判断する肉体からはかけ離れた肉体のかたちは、常識的な自分に相対するさまざまな物のとらえ方を覆し、自分の慣れ親しんだ知覚がずれる不安定な心もとない感覚を起こさせるなあと。壁に描かれたベーコンの言葉や制作現場のフィルムなんかも相まって、濃密な彼の知覚の世界へトリップしたような感覚を味わえました。
はがきもついついたくさん買ってしまって、NHKの日曜美術館でのベーコンを見なかったことを後悔。再放送を早速予約しました。こういう予定調和な美術鑑賞じゃなくて、自分の知覚にざらっとした違和感を感じる展覧会、好きです。
そのあとの仕事も和やかに終わり、帰りはWi−Fiで仕事できないことにがっかりして、いつもの東京駅の紀伊国屋で白ハーフを買い飲んだくれて早々に帰宅。明日から集中して仕事頑張ります・・・