文化活動覚書:映画1本・東洋陶磁美術館へ
この2週間の文化活動覚書、ひとつは東洋陶磁美術館の「フィンランド・デザイン」展。もともとこの公会堂の前にあるこじんまりした美術館は好き。美術館の動線が吹き抜けてなく迷路っぽい感じや、あちこちにこじんまりして外の緑に守られたソファがあるところなんかが好み。普通の展示についてはほとんど人がいない静謐とした空間でそれも好きなのだけど、今回は人気だからか沢山女性が観にきてたかな〜。
イッタラの私がお気に入りで所有している「タピオ」が展示してあって、60年経ても古びないデザインの力に感心。他にも美しいガラスや絶妙な色合いの陶器もたくさん陳列されていて、ガラスのトナカイ群や大きなお皿の藍の鮮やかさに癒された。結局1時間程度ぐらいしか観られなかったけれど豊かな時間でした。カイ・フランクの絶妙な陶器の色彩の取り合わせも良かったなあ。でも一番印象に残ったのは、「オアシス」というガラスの中に極彩色のガラスの植物世界を閉じ込めたキューブを積み重ねて作ったトイッカの作品。南への憧れが詰め込まれているようだった。お気に入りの併設の喫茶店に入ろうと思ったけれど人で一杯・・・今回はあきらめよう。昔ここで本読んでたよなあ。
併設されていた北欧雑貨のお店で展示されていた商品が買えるようで、思わずいろいろ商品チェックしてしまった。フェルトの玉をつなぎ合わせた何とも可愛い鍋敷きを買うか買うまいか迷いに迷って、結局やめた。このお店はネットショップも展開していっていつでも買えるからね。最近ほんと衝動買い、少なくなりました。
そして、映画「25年目の弦楽四重奏」チェロをやっている俳優、なんとクリストファー・ウォーケンではないですか・・・。久しぶりの弦の響きにまた癒されました。内容は25年カルテットを組んできた信頼感で結ばれたメンバー、チェリストがアルツハイマーの兆しで引退することとなり、そこからそれぞれの人間関係が不協和音になりつつ、深い人間関係の苦しみや悲しみを経て最後の演奏会になるという筋書き。夫婦や過去の恋愛、親子間などいろいろな複雑な感情が交錯する。それでも芸術を尊んで芸術に身を捧げる覚悟をした人の心象は、自分にない分何か豊かな局面を見せられている感じがしました。1stバイオリンのストイックな演技が私は好きだったかな。あとはクリストファー・ウォーケンの多分ジュリアードでの講義が印象に残った。暗いシアターで座ってちょこっと持ってきたワインちびちび飲みながら観る落ち着いた映画は、本当に最高です。
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