ストーリーは女性の料理人としてミッテラン大統領のプライベートシェフとして招聘された実在の女性の物語。料理とそれを振舞う人に愛情と親しみを持ち、ユーモアと力強さを信念を兼ね備えた主人公がとても魅力的。結局大統領のシェフはもともと官僚的な官邸のシェフ軍の妬みや権力闘争に嫌気がさして、3年程度でやめてしまう。けれどその後に南極フランス領の料理人として1年赴任して、食の楽しみを隊員に提供するというストーリー。最後の夜に隊員たちがフェアウェルパーティを開いて彼女が本当に愛されていた様子が和やかで楽しげな雰囲気とともに伝わってきた。振舞った料理はフランスの素材の味がシンプルに感じられる「おばあちゃんの秘伝の料理」。鮭とキャベツのファルシや幻の「オーロラの枕」やポルチーニのスクランブルエッグなどなど。目にも美味しい料理、そしてこじんまりした厨房で助手ひとりと作り出す料理は素晴らしい。料理はやっぱり芸術だなあとあらためて感じた映画でした。料理の力で人を楽しくさせたリ、笑顔にさせたりできるんだなあ。遅ればせながらちゃんと料理を習いたいとも。
一番好きなシーンは夜に逆境のヒロインがいる厨房にそっと励ましに現れる大統領。彼にキッチンの上でトリュフをびっしり敷き詰めたバタートーストと一杯の赤ワインを振舞うところかな。台所、私も充実させたい。。。