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  2003-08-08 ‖Fri‖   

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  物語の楽しみ

マーティン・ドレスラーの夢
「マーティン・ドレスラーの夢」(スティーブン・ミルハウザー・白水社)読了。純粋に物語が楽しいと久しぶりに思えた作品だった。今までは中篇が多かったミルハウザーの長編でピューリッツアー賞受賞作品。

舞台はこれから発展していく躍動に満ちたNY。商才を生まれながらに持った主人公マーティン・ドレスラーが次々とホテルを立ち上げていく成功の過程と転落の物語。しかしそれはビジネス成功物語ではなくあくまでもミルハウザーの精緻な万華鏡のような描写の目を通して語られた幻想に近い魅力を持つ「世界」なのである。

実家に帰っているのもあって一気に読み終えた。この「一気」が最近できなかったからまた面白かったのかもしれないなあ。物語の中に出てくる途方も無いホテル群に昨今の日本の大規模ショッピングモールを思い出す。本来の機能だけではなく訪れる人の「夢」を演出する舞台装置としての建造物。思いがけなく黎明期の広告業界の話も少し出てきて興味深かった。もちろんフィクションなんだけどね。


llcafell at 08.08

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